こちらの物件なのですが、築41年の建物。
こちらのマンションには縁側がついていまして写真では障子が外してありますが、既存の状態では雪見障子が残っておりただ外しているだけの状態になっています。
さて、この縁側なのですが深掘りすれば面白い所にたどりついてしまいました。その面白さをご説明いたします。
本来、縁側は日本家屋についているのが一般的で日本家屋に根強くセットされていますが近代建築では、その姿は消しつつあります。その要因としてはエアコンや内廊下の作り等によって少なくなっています。特にマンションでは必要はありません。
縁側は日本家屋の外周についているのがその役割となります。
当時はそこでスイカを食べたり布団を干したりお父さんが日曜大工で使用したり廊下と憩いの場という役割がありました。普段身近に感じられるとしたらホテルや旅館等ではないでしょうか。やはり縁側はあると気分は高くなり縁側からの景色に日本人としての風情を感じれる心が動き、どこか懐かしいと。そんな気持ちになるんではないでしょうか。
自然とお風呂から上がった後に一杯やりたくなるでしょう。(タバコも)
参照 https://discoverjapan-web.com/article/16595
そこで、ここの建物の付近には大使館などに勤める方達などが昔から住んでおり、洋式のマンションもあったりします。ここのマンションはキッチンのスペースとランドリースペースが一緒になっており当時、外国人の方に向けて作った仕様だなというポイントを感じます。
それに海外の方は食事のスペースを分けたりしてして、ここの建物ですとキッチンのカウターで朝食。広いバルコニーで昼食、ダイニングスペースで夕食と。そういった配慮が見受けられます。
本来、マンションは内廊下なので縁側は必要ありませんが外国人の方達に日本を感じてもらいたいために縁側をつけるという当時の粋な計らいというか「おもてなし」というか、そんな古き良き時代を感じれるマンションだと感じました。
当初、僕はここの縁側を潰して余す所なくリビングを拡張したら良いではないかと、思っていましたが。
そうではないと。縁側で楽しむという余裕が必要なのだと。
現代では生活していて余裕がなかったりしているのかなと。余すところなく無駄なくやるとか、突き詰めるとか。
そうではなくて、ここの建物でいうと縁側を作るという余裕が大切だと。
当時の日本が元気な時代だからこそ、余裕があったんじゃないかと。
そんな余裕のある時代に作られたマンションが広島ビンテージマンションだと思っていて、それは建物や車や服やなんでも共通して余裕が見受けられます。
今回の建物では、この縁側からなぜ縁側が造られているのかと考えたらそういった所に考えつきました。
ビンテージマンションは当時のそういった部分を感じれて長く住めるのも特徴でありオススメしたいポイントです。